2019年09月07日

医療事故を少なくするために

人間の脳は非常にすぐれていますが、さまざまな原因で必ず間違えるものです。どんなに教育や訓練を受けたとしても、ヒューマンエラーを完全になくすことは不可能です。

エラーリスクの高まる状況は、経験不足、時間不足、不適切な点検(点検という単純作業がいい加減になること)、手順の不手際(準備不足・人手不足・注意不足)、不適切な情報、焦りや疲れなどによる集中力の低下があげられます。
また、自己発生の落とし穴は、あいまいな指示、間違った情報、読めない文字、整理不足、物品補充不足、物品をあるべき場所に戻さないことなどがあげられます。

では、エラーを防ぐためにどうすればよいのでしょうか。
我々がすぐにできる事故対策は、自分の体調管理・精神状態のコントロール、ダブルチェック(自身でのチェック+複数人でのチェック)、見直しをする習慣を身に着けて各段階のエラーを減らすこと、確認されるのを嫌がらないことです。
それから、人的要因への対策は、記憶に頼らないこと、情報を視覚化すること、ルール・手順を再検討して単純化すること、ルール・手順を標準化すること、チェックリストを活用すること、警戒心を過信しないことです。

それに加えて、医療安全のために日頃から身に着けたいのが、以下の心がけです。
・患者様(ご家族)との関係をしっかりつくる
・患者様(ご家族)への丁寧な説明をする
・患者様(ご家族)にわかる言葉で話す
・根拠に基づいたケアを実践する
・セルフケア(自己管理・体調管理)の重要性を認識する
・日頃から倫理的な行動をとるように心がける
・エラーが発生しても非難しないようにする

しかしながら、万が一事故が生じてしまったときは、困ったら人を呼ぶこと、事故に対する対処と医療継続、安易な自己判断をしないこと、迅速な報告をすることが必要です。
それから、同じ間違いを繰り返さないように、インシデントレポートの作成・報告と行い、他職種の観点で分析・対策を協議することも必要になってきます。

このように、ヒューマンエラーを防ぐためには、1つ1つの段階を確実にこなすことが重要です。


ー診療部長 岡嶋 泰
posted by IYUKAI at 09:18| 医師のページ | 更新情報をチェックする