2025年02月10日

オンライン面会の様子

当院では、重症化リスクの高い入院患者様を新型コロナウイルス感染症から守るために、長い間面会を制限していましたが、今秋から病室での対面面会を再開しました。
面会制限時はオンライン面会を実施していましたが、対面面会を再開した現在もご家族のニーズに応えるべく継続しています。無料アプリケーションを利用し、入院患者様とご家族様との間で、病院のタブレット端末とご家族様のスマートフォンを通してビデオ通話ができるシステムです。

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利用されている方は、遠方にお住まいのご家族や、お仕事などの関係で面会時間内に来院できない方です。実際、関東にお住まいのご家族と頻繁にオンライン面会をされていらっしゃるケースでは、入院患者様も精神的に安心され、安定した入院生活を送られるのに一翼を担っています。入院患者様やご家族の不安を少しでも解消できるよう色々な選択肢をご用意できればと考えています。
今後も入院患者様やそのご家族の利便性を図るため様々なことに取り組んでいきます。

【オンライン面会】
実施時間:月・火曜日(祝日を除く)
①16:00~16:10 ②16:20~16:30  ③16:40~16:50 
(1日3件まで)
 
【予約方法】
平日(土・日・祝日を除く)の8:30~17:00に、当院の医事課へお電話、または、受付にて「オンライン面会希望」の旨をお伝えください。
ご希望の日時を調整させていただきます。
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2025年02月01日

高齢者の糖尿病の特徴とケア

加齢とともに糖尿病の患者数は増加します。高齢者の糖尿病では、食後の高血糖を起こしやすいです。一方で、低血糖の典型的な症状を起こしにくいため、低血糖状態に気づきにくく、重症の低血糖を起こしやすくなります。また、腎機能障害や多剤併用から薬剤の有害作用が出やすいです。さらに、動脈硬化に起因する虚血性の合併症の頻度が高く、また、筋肉量減少、身体・精神能力の低下、転倒、うつ状態、日常生活機能低下等の老年性症候群をきたしやすい特徴があります。

高齢者の糖尿病は、このような特徴から多面的に評価する必要があります。血糖コントロールの観点からは高齢者においても高血糖や低血糖は血管合併症の発生と関係があり、認知機能低下などのリスクファクターとなります。従って、低血糖予防に十分配慮しながら適切に高血糖是正を行うことに意義があると考えられます。

高齢者糖尿病においても食事療法、運動療法の有効性が認められています。薬物療法においては、低血糖および他の有害事象等に十分配慮する必要があり、多剤併用は服薬遵守の低下につながるため、処方の単純化が勧められます。

-総合診療科 医長 春田哲郎
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2025年01月20日

シルバークラブのイベントで当院の院長が講演しました

11月4日に開催された七条第三シルバークラブのイベント「元気かい」にて、当院の院長が講演しました。このイベントは年1回開催されており、会員が多く集まります。以前は「シルバー集い」でしたが、今年から「元気かい」という洒落たネーミングにリニューアルされ、秋開催となりました。講演や踊り・楽器演奏・抽選などの催し物があり、参加者は楽しいひと時を過ごされます。

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当院からは毎回看護師が健康チェックで参加していましたが、今年は院長が「100歳まで生きるにはどうすれば良いか」というテーマでお話ししました。日本の高齢者の実情に始まり、健康寿命を延ばす3つの秘策①食事②運動③休養(睡眠)について、ユーモアを交え、具体例や注意すべき点をお伝えしました。
年齢が70歳以上になると、肉類よりも魚を主に摂る方がよいと推奨されていますが、1週間に2日くらいは肉類を食べてやる気を出したいものです。また、日本人は野菜や海藻類の摂取が少ないので、多く摂る必要があります。
テニスやゴルフ、水泳などの一定の運動をされている方は、継続することが大切です。一定の運動をしていない方は、ラジオ体操や散歩など自分に見合った運動を続けましょう。散歩は1週間に2回(1回30分)くらい行うのが良いとされています。時々歩調を速めて呼吸が少し早くなる程度に歩くと、皮下脂肪が燃焼し、肥満予防にもなります。

参加者は健康に人一倍気をつけておられる方が多く、真剣に聞いていらっしゃいました。これからは、100歳とは言わず、125歳まで(ヒトは125歳まで生きられる動物という説があると講演で説明)長生きしましょう。今後も少しでも地域に貢献できるようにしてまいります。
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2025年01月10日

愛友会在宅ケアセンター西七条の訪問看護の様子

「愛友会在宅ケアセンター西七条」は、2024年6月1日に訪問看護ステーションとして開設されました。
病気や障害により独りで通院ができない方に対し、安心して在宅生活が送れるように、かかりつけの医師の指示により、看護師が自宅を訪問して医療処置や看護指導を行っています。

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ベテランの訪問看護師が、利用者様の少しの変化も見逃さない細やかな観察力と判断で、利用者様の健康維持をサポートしています。
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2025年01月01日

アルツハイマー型認知症とはどのような病気か ~その原因と対策~

現在、認知症と言われているものの中には、主にアルツハイマー型、脳血血管性型、レビー小体型がありますが、この中で最も多いタイプがアルツハイマー型認知症(Alzheimer's dementia)です。これは、ドイツで初めてこの病気を発見した医師の名前なのです。
2015年には、世界で4,680万人の人がこの認知症になっているのですが、2030年には7,470万人が、さらに2050年には1億3,150万人という多くの人が認知症になると予測されています。
アルツハイマー型認知症は、脳の中にアミロイド-βやタウと呼ばれる特殊なたんぱく質が溜まり、脳神経細胞が崩れてしまうために、認知機能に障害が認められるものです。

認知症には、最近の出来事を忘れてしまうという現象が見られますが、これは脳の中の海馬という場所に病変が起きて記憶できなくなることが原因です。この記憶障害は、起こる数年前から脳に変化が見られています。この他にも、レビー小体認知症(脳にレビー小体という特殊なたんぱく質が溜まって起きるもの)と脳血管性認知症(脳の血管が詰まったり、出血したりして脳の神経細胞に障害をきたすもの)などがあります。

アルツハイマー型認知症の症状には、1)記憶障害、2)判断能力の低下、3)見当識障害などがあります。
1)記憶障害
誰でも、忘れていたことは思い出すことができるのですが、この認知症の場合には、約束していたことをすべて忘れてしまうのです。思い出すことすらできません。

2)判断能力の低下
料理をする場合、その手順がわからなくなり、調味料をどれくらい入れたらよいかもわからなくなります。また、掃除でもどれを捨てたらよいかがわからなくなります。

3)見当識障害
今日の日時がわからなくなったり、今どこにいるかがわからなくなったりします。買い物に出かけても、すぐに迷子になってしまうのです。

4)その他の心理状態
大事なものがなくなったりした場合、物とられ妄想や徘徊、介護拒否が見られるようになります。

それでは、アルツハイマー型認知症への対応について述べたいと思います。
まず、同じ話題を繰り返し行うことには、怒らないようにしましょう。同じことを言っても、言ってすぐに忘れてしまうので、その都度何度も言ってやることです。その際、「さっきも言ったでしょう」と決して怒ったりしないことが大切です。
約束がある場合は、カレンダーやメモ帳に大きく書き込んでおきましょう。薬の管理も、このようにカレンダーに貼っておくと良いと思います。
時計はアナログの方が良い場合があります。
さらに、徘徊をした場合は、周りの人の協力を十分に受けるようにしたいものです。様々なパターンがありますので、家族だけではなく、近所の人とも仲良く連携を保つようにしましょう。

現在、認知症に対する薬がないのが現状です。認知症に対して4種類の薬剤が出ていますが、いずれも進行を遅らせる効果しかないのが現状です。1日も早く良好な薬剤の到来が待たれるところです。
私はまだ大丈夫だと思っていても、やがてやってくるかもしれません。いつも頭は鮮明にしておきたいものです。


-院長 岡田昌義
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2024年12月20日

後発医薬品について

後発医薬品は、効き目・品質・安全性が先発医薬品と同等であることを条件に、国から承認されている薬です。製造過程や添加物が異なるため、「完全に同じ薬」とはいえませんが、最新技術で飲みやすくしたり、扱いやすさを考えて薬の色や形、味やパッケージなどを変えたりするなど、様々な工夫を施したものもあります。

成分が同じである以上、科学的にも効果は同じはずですが、痛みなどの主観的症状は、先発医薬品から後発医薬品に変更すると「効果が違う」と訴えられる傾向があります。その場合、先発医薬品に戻すと症状が改善します。この現象はすべての人に起きるわけではなく、アレルギーや効果が問題なければ安い後発医薬品を選ぶのに越したことはありません。

国民皆保険維持のために、「低価格な後発医薬品」を選ぶことは、身近にできる社会貢献のひとつです。その際、「自分に合った後発医薬品」を選ぶことが重要です。

当院は後発医薬品を採用しています。医師・薬剤師に遠慮なくご相談ください。

-患者ケア部 外来薬剤担当 上西 温子 (薬剤師)
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2024年12月10日

胡蝶蘭専門店「フルールドロアン」を訪ねました

JR嵯峨野線の梅小路京都西駅から南東へ徒歩2分に店舗を構える、胡蝶蘭専門店「フルールドロアン」。

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代表の大角実さんは、小さい頃から柔道をされていて、25歳まで実業団で柔道を続けられましたが、祖父の代からの家業である生花店を継がれ、今回取材した胡蝶蘭専門店と伏見の大手筋商店街に多種類の生花を扱う「花やす」の2店舗を経営されています。

フルールドロアンのセールスポイントは、胡蝶蘭のサイズや色味が豊富で、希望のものが見つかること。回転が速い(1週間に1回転)ので、常に新しい花を販売していること。胡蝶蘭が長持ちするように、20℃の室温管理を徹底していること。そして、親切丁寧な接客です。
京都には、ほかに胡蝶蘭の専門店がなく、お店は知名度が上がるのと同時に、売上も上昇しています。今年の5月には、月間290鉢を販売され、過去最高の数字になったそうです。

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胡蝶蘭には「幸せが飛んでくる」という花言葉があり、縁起物としてお祝い事に贈られます。そのため、法人や個人事業主が主たる顧客ですが、様々な方に知っていただくために、ホームページの充実も図られています。胡蝶蘭の管理方法も掲載されていて、わかりやすいです。リンクよりご覧ください。

フルールドロアン
京都市下京区朱雀内畑町2
電話:075-315-8187
営業日:月~土曜 9:30~18:00、日曜9:30~13:00
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2024年12月01日

アルコール依存症とは、いったいどのような病気なのか ~その原因と対策~

これから寒い冬に向かうと、お酒でも飲もうかと思うかもしれません。これも雰囲気で飲む人は良いのですが、飲酒が続くと習慣的になって辞められなくなることがあります。こうなると、毎日お酒が飲みたくなるものです。

アルコール依存症は、意志の弱い人がなるものだと思っている人が多いようですが、これは間違いです。意志の力で治ることはないのです。
アルコール依存症は、早期発見、早期治療が重要だと言われます。
国際的診断基準としては、意図した以上に大量に飲酒することや、身体的精神的な問題が悪化しても飲み続けるということがあり、一般的に思われるよりもはるかに軽いレベルで診断がつきます。現在、ある統計だと日本には110万人以上のアルコール依存症の人がいると推測されます。
この診断基準があるのは、早期に治療を開始して重大なことになるのを避けようとしているからです。

本症は進行性の病気です。お酒を飲んでいると次第に耐性ができて、この前と同じ量では何か物足りなくなり、もっと多く飲むようになるものです。次第にその量が増加していき、進行性となり社会に出られなくなったり、家庭の崩壊に繋がったりもします。
このような人は精神科にかかる必要が出てきますが、日本では、このような相談をする窓口が少ないのです。

アルコール依存症は、1年断酒が続いたからもう大丈夫だというものではありません。
人と繋がりがあり、5年、10年と長期に連続して禁酒できなければ意味がなくなります。
このように、アルコール依存症を断ち切ることは難しいのです。

たかが酒といっても、これから遠ざかるのには意味があります。
普通にお酒をたしなむ程度であれば良いのですが、これが病的になると問題です。酒は良薬になれば良いですが、多くなれば問題が生じます。
酒類を飲む量は、酒1合、ビール1本(633ml)、ハイボール2杯、ウイスキー2杯くらいは、毎日飲んでも身体に害はありません。
この基準を守って楽しく飲んでいるのれあれば、問題はないと思う次第です。

-院長 岡田昌義
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2024年11月20日

マイナンバーカードの健康保険証利用について

マイナンバーカードは、医療機関や薬局で健康保険証として利用することが可能です。
また、今年の12月2日より現行の健康保険証の新規発行が終了します。
当院では、1F受付に顔認証付きカードリーダーを設置しています。

<カードリーダーの使い方>
①マイナンバーカードをカードリーダーに置いてください。
②顔認証、もしくは4桁の認証番号を選択してください。
③診療・服薬・健診情報の利用について、確認してください。

受診の際は、マイナンバーカードを保険証として利用いただくと、受付がスムーズです。
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2024年11月10日

在宅サービス BCP机上訓練の実施

今年は元旦に能登半島地震が発生し、8月には南海トラフ地震臨時情報が発表されました。
最近日本の各地で、予想もされなかった場所での地震も頻繁に発生しています。

BCPは”Busines Continuity Plan (業務継続計画)”の略で、事業所が緊急事態に直面した際に、業務を継続したり復旧させたりするための計画です。
2021年度の介護報酬改定により、今年度から、介護施設や事務所のBCP策定が完全義務化されました。感染症や自然災害が発生した場合であっても、介護サービスが安定的に継続されることを目的としています。そのため、各事業所は作成したBCPに従って、机上訓練を実施することになりました。

当院では、8月に初めて在宅サービス(今回は訪問サービスが中心)の机上訓練を実施しました。
想定したのは、「日曜日の12:30に大阪府北部を震源とした最大震度6強の地震が発生。京都市は震度6弱。古い木造の家屋はほぼ壊滅。道路はがれきで通行できない箇所が点在。鉄道もすべて普通。停電と断水が発生。」という状況です。

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地域ケア推進部では、15:00に約半数の職員が参集して対策本部を設置し、現時点の被害状況を共有、サービス利用者の情報を報告・共有しました。
次に、訪問看護サービスを中心として、独居の利用者様からの安否確認、訪問の必要性と優先順位をホワイトボードに書き込み全員で共有しました。
最後に、今後の活動について、スタッフの出勤日時を確認・調整し、優先する訪問先を決めて、訪問スケジュールと訪問手段を確定させました。

実際に災害が起こると、訓点のようには円滑にいかないことも多いと思いますが、少しでも緊急時に役立つように、経験を積んで地域の医療・介護を守っていきたいと考えます。今後も、マニュアルのメンテナンスや、感染拡大時の訓練を計画的に実施していく予定です。
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